(お送りいただいたご本から)

『「三畳小屋」の伝言』
朝野 富三 著

 南方のBC級裁判では、原住民の指摘が動かぬ証言となり、多くの兵が処刑された。「兵の行為の責任は上官にあり。私を戦犯にしろ」と叫んだのが陸軍大将今村均であった。彼は自らラバウル戦犯収容所へ赴く。無罪判決を得るも服役を要求、昭和28年までマヌス島の刑務所で過ごし29年巣鴨を出所する。しかし自宅庭に三畳小屋を建て、43年、82歳で没するまで過ごす。彼はそこで何をしていたか。904本の記事を50数冊のスクラップに張り、アンダーラインを引いている。筆者はそれを詳細に分類し、何を伝えようとしたのかを検証し、学生たちに教えている。国内関係では教育が一番多く、軍事、社会と続いている。今村が三畳小屋から何を伝えようとしたのか、多くの人たちに知っていただきたい。

発行 2012年4月
ISBN 978-4-88269-753-4
サイズ 182mm×128mm
仕様 B6判・176頁・並製本
新風書房