「諭吉の愉快と漱石の憂鬱」竹内真澄著

(お送りいただいた本から)

「諭吉の愉快と漱石の憂鬱」
竹内 真澄 (著)
¥ 1,785

 京都自由大学理事長でもある竹内真澄・桃山学院大学教授から送られてきました。
本の帯では、
「富国強兵路線の雪と自己本位路線の漱石。日本近代化開拓者の諭吉と日本近代化批判開拓者の漱石。明治の偉人、好敵手・好対照の二人の比較を通じて、現代日本人の心の奥底にあるふたつの魂に触れる。『日本は滅びるね』という漱石の警告を、いまどう受け止めるか?」
と紹介しています。

 あとがきには、
・諭吉は佐幕派、市民的自由主義帝国主義超国家主義からついに大東亜共栄圏まで推し進めた。漱石は、それらを胸の奥まで呼吸していたがゆえに、佐幕派的視座、社会進化論、社会的自由主義を踏まえ、社会主義をぎりぎりまで理解したうえで、「自己本位的個人主義」のカードを切った。

漱石の「自己本位的個人主義」は、私権的個人主義の現代的バージョンである新自由主義に対しても厳しい警告を投げかけている。

・日本近代化開始わずか50年で、近代思想のほとんどの概念装置を二人は出しつくしたと言ってよい。

とあり、とても興味深い指摘にあふれています。

著者略歴
竹内/真澄
1954年、高知県生まれ。1977年、立命館大学産業社会学部卒業。1982年、立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。1986年、桃山学院大学社会学助教授。2002年、桃山学院大学社会学部教授。2005年、京都自由大学講師

単行本: 274ページ
出版社: 花伝社 (2013/11)
ISBN-10: 4763406817
ISBN-13: 978-4763406811
発売日: 2013/11